前回は、富山県全体の男女・年齢別の未婚率をみた。30歳時点では、男性の40%、女
性の20%が未婚である。
さて、市町村別にはどうだろうか。
一言でいえば、富山県の未婚率は冬型とは逆の「西低東高」となっており、呉東の未婚率
が高く、呉西は低くなっている。すなわち、呉東では結婚が遅く、呉西は結婚が早い傾向
がある。呉東の魚津市や滑川市、黒部市は結婚が遅い。砺波市をはじめ、新湊市や氷見
市、小矢部市など呉西の各市の結婚は早い。町村においてもこの傾向がある。
「未婚率パターン」として、男女と県平均との乖離をわかりやすく表現してみた。
例えば入善町や山田村はパターン1からパターン4に変わっている。これは、出だしは遅
いが、30歳を過ぎれば結婚のスピードが速まっていることを意味している。
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さて、山間部の未婚率をみてみよう。
山間部の場合、男性と女性で未婚率に違いがはっきり出ている。男性の未婚率は高く、逆
に女性の未婚率は低い。例えば、上平村の場合、30〜34歳の未婚率は、男性で55.
8%と富山県で一番高いが、女性は4.3%と三番目に低い。しかし、利賀村に注目して
みよう。山間部であるにもかかわらず、男性の未婚率も低い。どうしてだろうか。
私は利賀村を二回しか訪れたことがなく、村の風土まではわからない。ただ、世界演劇祭
などで交流人口が多く、若い男性が村外の女性に出会う機会に恵まれているのではないだ
ろうか。「山の男性」というだけなら、女性には敬遠され、出会っても結ばれないかもし
れない。しかし、世界演劇祭などをとおして、そこに住む男性が「山」だからと劣等感を
持つのではなく、むしろ地元に誇りを持ちながら生活しているのではないか。そうしたい
きいきとした姿に、女性が惹かれるのかもしれない。「山」という一般的には結婚にマイ
ナスと考えられていることは、本質的にはあまり関係のないことなのかもしれない。
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若者が出会ったりする場として、行政などが結婚相談所やパーティーを企画している。
結婚相談所はとっつきにくい。また、パーティーも同じ市町村の男女を対象にするからう
まくいかないような気がする。男性は魚津市、女性は氷見市など、住む場所が違う男女が
交流するパーティーにすれば、もっと気軽に参加できるのではないか。
もっと直接的な施策では、圏外からお嫁さんをもらった場合の結婚奨励金や仲人奨励金制
度がある。このような地域エゴ的な制度は長期的にはうまく機能しないだろう。
若者はもっと自然な出会いを求めていると思う。反面、仲人をたてない近代的な見合いシ
ステムも求められていると思う。
自然な出会いとしては、会社におけるサークル活動や気軽なボランティア活動なども考え
られる。富山の会社サークル活動はとても寂しいように思う。サークル数自体も少なく、
よって会社間のサークルコンパも少ない。ボランティアについては、行政が関わりすぎる
ので堅かったり面白さがない。自分たちの意見が取り入れられ、自由な発想が生かされる
ボランティア活動があれば、若者の出会いの場となる。
仲人をたてない近代的な見合いというのは、従来の家と家という見合いではなく、紹介す
る程度の見合いである。従来の見合いでは、付きあうかどうかを仲人に報告する必要があ
るようだが、数回会っただけで、YES・NOの結論が出るはずもない。
結婚をしない理由としては、雑誌などで目が肥えてしまっているとか損得勘定では損であ
るとかいろいろ言われているが、「出会いの場がない」というそれ以前の要素も大きく影
響しているだろう。
●未婚率(%、富山県内の各市町村)
・25〜29歳はa、30〜34歳はb
男 男 女 女 未婚率パターン
a b a b a,b
富山 63.5 33.3 42.5 16.0 3 1
高岡 63.4 33.6 44.0 14.6 3 1
新湊 61.4 32.0 39.6 13.3 4 4
魚津 66.7 34.4 43.2 14.4 1 1
氷見 61.1 32.4 39.4 11.8 4 4
滑川 64.6 33.4 43.6 15.2 1 1
黒部 69.6 35.4 46.6 13.9 1 2
砺波 55.3 25.3 37.7 8.8 4 4
小矢部 63.3 31.4 43.9 9.3 3 4
大沢野 66.0 31.6 42.0 12.9 2 4
大山 69.3 32.0 42.7 15.2 1 3
舟橋 50.8 31.3 37.1 4.0 4 4
上市 64.0 33.7 44.3 17.7 1 1
立山 67.4 37.2 47.4 17.3 1 1
宇奈月 74.8 42.9 45.6 20.9 1 1
入善 67.6 32.6 44.7 12.9 1 4
朝日 70.0 36.7 47.8 15.2 1 1
八尾 64.5 35.3 42.3 11.8 2 2
婦中 57.7 26.4 34.5 10.3 4 4
山田 76.3 28.1 50.0 11.1 1 4
細入 64.4 39.0 50.0 12.2 1 2
小杉 57.4 27.8 39.3 11.6 4 4
大門 66.8 36.6 42.8 8.7 1 2
下 85.1 34.2 43.9 10.2 1 2
大島 67.4 31.4 49.5 14.5 1 3
城端 66.9 44.5 41.7 14.8 2 1
平 85.4 52.5 52.0 6.3 1 2
上平 88.5 55.8 36.8 4.3 2 2
利賀 42.9 23.7 26.9 7.4 4 4
庄川 63.2 33.7 40.9 12.9 4 2
井波 66.3 35.4 37.7 10.9 2 2
井口 65.4 24.3 22.6 3.0 2 4
福野 62.6 31.3 39.2 9.2 4 4
福光 66.0 33.5 38.5 13.9 2 2
福岡 58.4 29.4 38.8 10.1 4 4
県全体 63.7 33.0 42.4 14.0
(資料) 総務庁 平成7年「国勢調査報告」第2巻 その2
※未婚率パターン
1:男性も女性も平均超
2:男性は平均超、女性は平均以下
3:男性は平均以下、女性は平均超
4:男性も女性も平均以下